秋にぴったり!辛口ワインのようなフランス映画6選
こんばんは、貪欲なシンプリストです。
3連休ラストということで、今回は頑張ってまさかの2連ちゃんで更新です。
まだまだ夕方。
お休みが終わるまでの時間が自分充電に欠かせないものですね。
何をして過ごされるのでしょうか?
明日から仕事だし、ではもうご自宅には帰られたころでしょうか。
じゃあ、お部屋でまったり映画鑑賞というのはいかがでしょう?
今やネット配信サイトの充実ぶりには目を見張るものがあります。
で、今回おススメしたいのは、
今はやりの、妙にハイテンションな邦画でもなければ
王道だけど筋は大同小異のハリウッドものでもなく、
あえて、一筋縄ではいかない「おフランス」モノとしました。
だって、秋って何となくフランスのどこか陰のある映画世界に惹かれません?
秋特有の乾いた空気が、辛口ワインのようなフランス映画に、妙にはまる気がするのは私だけでしょうか?
まあ、だまされたと思って、見てみてくださいよ、ピリッとした仏蘭西映画を!
貪欲なシンプリストが独断と偏見でお送りする映画選をとくとご覧あれ!
【目次】
ピアニスト
(2001年 ミヒャエル・ハネケ監督作品)
最初からかなりディープでヘビーな作品のご紹介になってしまいました(;´・ω・)
が、辛口ワインと言えば、やっぱりこの映画が真っ先に頭に浮かんだんですよね。
もう16年も前に製作された映画ですが、この類の映画はある意味、色あせることはないでしょう。
中年のピアノ教授の毒母との関係や、乏しい男性経験によるちょっと逸脱した趣味。
別にどんなセクシュアルオリエンテーションを持とうと自由だからいいんですが、イザベル・ユペールの迫真の演技に、ただただ圧倒されてしまうのです。
年下のボーガルソン(イケメン)が彼女の弟子になり、彼女に好意を寄せるのですが、まさか彼女がこんな「独特さ」を抱えているとは露知らず・・・
ネタばれ防止のため詳細は伏せますが、個人的に最後のパン切りナイフを自分の胸に突き刺すシーンがすごいですね。
彼女に共感できるのか、それとも全く受け付けられないのか?
それはこの映画を見たあなた次第。
ポン・ヌフの恋人
(1991年、レオス・カラックス監督作品)
伝説的な恋愛モノのフランス映画ですね。監督というのがフランスの中でも完璧主義で気難しいことで知られているので、非常に寡作です。
こちらの作品もすったもんだの挙句にやっと完成したというエピソードがあります。
天涯孤独の大道芸人でホームレスのアレックスが、失恋と失明の危機に絶望的になったミシェルと出会うことから物語が始まるわけなんですが、パリの中で最高に美しいポンヌフ橋で繰り広げられる、究極のシチュエーションで生まれた純愛とでも言いましょうか。
まるで泥池に咲く蓮の花のよう?
初めて見たときは、ワタシがまだ高校生くらいのときで、なんだかもの強く印象に残った作品でした。
でも実は一番気に入ったのは、冒頭のパリのトンネルと、チェロのソロ演奏がすんごくはまっていたところで、繰り返しその場面だけ見てました(笑)
チェロってパリに合うなあ、なんて。
髪結いの亭主
(1990年 パトリス・ルコント監督作品)
こちらもかなり有名な作品で、ご存知の方も多いかと。
90年代のルコント作品は、香水のように色香が漂う作品が多く、それだけで「大人の世界だ~」と感動したものです。
タイトルの通り主人公は床屋(マダム)に子供のころからあこがれていて、中年に差し掛かったころに理想の床屋のマドモアゼルに出会い、初対面でプロポーズしてしまうという、何とも無茶な話なんですが、主演のジャン・ロシュフォールのまなざしがいいんですよね~。
パリでこの物語を作っていたらまた違った暗めの色調になったと思うんですが、映画の舞台が南フランスなので明るく幻想的な色合いがまた、色っぽいのですよ。
なのに最後はいきなりカカオ98%のダークチョコレートのような展開になるわけで、そういうところが「一筋縄ではいかないフランス映画」たるゆえんでしょうか。
人を愛し、愛されることの喜びと哀しみが、マイケル・ナイマンの切ないピアノの旋律と、情熱的なアラブダンスのリズムでうまい具合に調合された名作ですね。
男と女
(1966年、クロード・ルルーシュ監督作品)
もちろんリアルタイムでは知りませんが、こちらも色あせることなく生き残ってる大人のラブストーリーですよね。
というあまりにも有名なサントラの旋律を思い浮かべる方もいらっしゃるはず。
Francis Lai 映画「男と女」 A Man And A Woman
既婚者なんだけどワケありで、子持ちシングルという設定からしてオトナの世界なんですが、加えて骨格の美しい顔立ちのアヌーク・エーメの大写しのラブシーンといい、アンニュイなサントラと、あらゆる要素が結合して、この名作を生んだ気がします。
どれかがかけても「男と女」は成立しなかったのでは?
アデル、ブルーは熱い色
(2010年、アブデラティフ・ケシシュ監督作品)
いきなり年代が最近に戻りましたが、こちらもなかなかパンチのある恋愛ものです。
これまで恋愛ものと言えば「男と女」の世界でしたが、近年ではLGBTの存在が認められるようになってきたこともあり、映画で描かれるカップルが必ずしも異性間に限定されない感じですね。
こちらの作品もその例にもれず、女の子同士の恋愛の物語です。
リセエンヌ(女子高生)のアデルがあるとき町ですれ違った青い髪のボーイッシュな女性エマ。
その女性は少しアデルより年上で、プチブル出身の芸大生。彼女の言葉がイチイチアデルの心をわしづかみにして、二人は恋仲になっていくのですが、ストーリーの早い段階で破局します。
この作品については、リアルなレズビアンのラブシーンがやたらとフィーチャーされてますが、本質はそういうことではなくて、性別に関係なく恋愛は生身の人間同士のガチンコ勝負だよね、っていうことだと思います。
エマはアートはもちろん哲学についても饒舌に語り、アデルはそこに魅了されるのですが、何というかどこかエマ対アデルの主従関係のようなものが出来上がってるようで、ワタシはそこが気になったんだけど、やっぱり二人の関係は破たんしたね(笑)
結局相手を、自分が持つ力(教養や才能)で圧倒して、優位に立つっていうのはこれまでの封建的な男女関係でも何百回、何千回と繰り返されてきてるわけですよ。
対等じゃない関係がうまくいくもんか~~!私ならヤダね、と思いながら見てました(笑)
17歳
(2013年、フランソワ・オゾン監督作品)
随分長く書いてしまったので、これで最後にしますね(;^ω^)
フランソワ・オゾンはフランスの大御所女優を揃えた、ちょっと破天荒な展開の「8人の女たち」で日本で大注目を浴びたわけですけれど、他の作品を見てみると、一見クールなようでいて、実は人の心理にじわじわと食い込んでくるような映画を作る監督だと思います。
この「17歳」はまさに17歳の女の子が主役の映画。でも巷にある青春映画とは似ても似つかぬストーリー。夏のバカンスで初体験を済ませた女の子が、ある意味性に目覚めるんですが、それもよくあるタイプの映画とは違って全くかわいくない展開なんですよ。
ていうか、この子、自分で出会い系サイトに投稿して、売春しちゃうんですから。
中流かそれ以上の家なので、お金には大して困ってない。
だから動機は「セクシュアリティ」になるわけです。
日本でいう「エ●コ―」ですよね。
ただなんていうか、フランス人がそういうのを描くとなんか違うんだよな~。
主人公を演じた女優さんはもちろんとっくに成人しているモデル出身なわけですが、最初はいかにもうぶな「ハイティーン」だったのに、中年男性との逢瀬を重ねるごとに、色目を使う「オンナ」に変化していく過程をさらりと表現するわけですよ。
だからこれは「恋愛」の話ではないです。
コトの途中で相手の男性の心臓が止まってしまったことから彼女の秘密が家族に露見するわけですが、それでも同じクラスの男の子と付き合うようになってめでたし、めでたし。
と思わせておいて、親に取り上げられていた商売道具?のスマホを再び手にした彼女の表情は、さすがフランスって感じでした。
ラストはこれまたある意味、「おおっ!」と唸ってしまう展開になります。
まとめ
この記事を書いていて、改めてこちらでご紹介したフランス映画が何で一筋縄ではいかないのかを考えていたのですが、たぶんそれは「恋愛」とか「エロス」をテーマにしているようで、実は本質的に別のことを描いていうことだからのような気がします。
そしてそこでスクリーンに映し出される世界が、妙にリアルに見ている者の心に突き刺さってくるということなのかもしれません。
秋の夜長に、ちょっとわかりにくい世界にあえて飛び込んで、いつもと違った気分を味わってみるのも乙なものですね。
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