ワタシが嫌いな言葉#2「辛いのは病人本人だよね」正しいが、看護・介護する家族に言ってはいけない
今回はいつもとは違って、介護というか、病気の家族と過ごした経験者として正直な思いを綴りたいと思います。
いつものように「興味のない方はスルーしてくださいね♪」と言いたいところなのですが、正直言うと介護は決して他人事ではないですし、在宅介護を国の方針として掲げてる日本では、このブログを読んでいるすべての人に降りかかることだと思います。
その時のために、または身の回りにそのような境遇のいる方がいるという方にも、お読みいただければ嬉しいです。
病気の家族と過ごした経験
以前にも書きましたが、ワタシは昨年の暮れに母を亡くしています。
2年ほどがんを患っていて、発覚当時は末期で余命数ヶ月と宣告されましたが、幸い母に合う薬があって2年間比較的元気に生きながらえることができました。
その間の母は食べたいものが食べられたし、旅行したいと行ったところへも家族で出かけたし。それなりに充実した期間だったのではないかと思います。
もちろん闘病生活であることには変わりなく、彼女自身も辛かったと思うのですが、同時に介護状態がそれだけ続いたので、父と私にとってもなかなかの試練のときでした。
ただ私については母の様子が安定していた間は、ベトナムへ10か月ほど仕事で出ていたので、その間は定年退職後の父にお願いしていました。父は父で本当に大変だったと思います。
実を言うと母はそれ以前から何年も寝付いていることが多く、ワタシが仕事をしながら面倒を見ている状態でした。介護というほどのものではなかったのですが、仕事へ出かける前に 母の食事を用意し、もろもろの家事を行い、帰宅後も母の食べたものや下の片づけもしていました。
過去のことなので正直に言いますが、以前から海外で働きたかったワタシは、母のことでなかなか出ていけない、または時間的な拘束があって自立できないことにフラストレーションを募らせていました。
腹が立った友人の一言
それは母ががんと診断されるよりかなり前のこと。仕事をしながら家のことや、母のことを両立させていたワタシは、隙間を縫って若いころのバイト仲間だった友人と再会しました。
会話のふとした拍子にワタシは何気なく母の病気のことと、自分のことを少しだけ話しました。
もちろん同情してほしいなんて来れっぽっちも思ってなかったのですが、次の瞬間友人はこう言いました。
「まあ、いちばんつらいのは(病人である)本人だからね」
言われた瞬間、自分の中で違和感が湧き上がりました。
友人にすれば、悪気のない、何気ないフォローだったのでしょう。もちろんそれは正しい。間違ってない。
だけど、本当に「一番つらいのは病人」だけなのでしょうか??
看護・介護する家族のつらさをわかってあげて
病気を患うことは、心身ともに痛みを覚え、思うように生活できないなど苦痛が伴います。その痛みは確かに経験した本人にしかわからない。
しかし、その周りにいる家族だって、負担を負うのでかなりつらいはず。
看護・介護は24時間待ったなしだし、お金だってかかる。
いくら健康体であったとしても、そんな生活が続いたら家族だって心身ともにやられます。
それから看護・介護生活をしていると、自分の仕事にまで手が回らなくなる。
介護休暇というのもありますが、無いよりあったほうがましなので利用しない手はないですが、そもそも介護・看護がいつまで続くかなんてはっきり言って分からない。
だからこそ私たちは介護保険による介護サービスを利用してうまく負担軽減をし、心身の健康を保てる介護を目指すべきなのですが、それで「ストレスフリー」になるかと言ったら、それは嘘。
言ってはいけない一言
そんなわけで、もし身の回りにご家族が闘病生活をされていて、一緒に頑張っているという方がいらっしゃったら、
「一番辛いのは病気を患ってるご本人ですよね」
という一言は言わないでください。
余計なことは言わずに「そうなんだね」とただただ、話を聞いてあげるだけでいいのです。
その言葉はもろ刃の刃となる可能性が高いのです。
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